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【小説の感想】鶴見篤四郎の宿願は「ゴールデンカムイ0日露戦争編」

ゴールデンカムイの初のスピンオフ作品の小説が出ましたよー「鶴見篤四郎の宿願」
野田サトルさんによる描きおろしの挿絵も多数ということでファンにはたまらない一冊ですね~♪



読了しましたので感想など追記します!
多少のネタバレありますのでご注意下さい

鶴見篤四郎の宿願では本編ではなかったキャラ同士の絡みが楽しめる

鶴見中尉の宿願を読みまして、まず思ったのは
「あのキャラとあのキャラが一緒にいる会話している・・!」
ってことですね
本編漫画ではあまり同じ場面に居合わせなかったキャラたちの絡みが新鮮でした

このスピンオフ作品は短編小説5話から成りますが、全て日露戦争時の戦場でのお話
戦況に合わせて話数が進んでいく・・お話の背景はそんな感じ
登場キャラは軍人たちのみですね

時系列としてこの小説は本編の漫画以前のことなのでキャラの心境や事情など本編とはちょっとずつ違ったり・・全く変わらぬ人もいたりします


こんな出来事があってのあの本編!
ってことでゴールデンカムイ0(ゼロ)として読むのが楽しかったです

「0その壱」とかでもいいのよ?いくらでも出してくれていいのよ?
「0マタギver.」「0アイヌ編」とかさw

・・はい!
鶴見篤四郎の宿願、ひとつずつ感想をつらつらと書きまーす!

鶴見篤四郎の宿願
各話あらすじ&感想


◆第一話 幽霊歩哨【谷垣源次郎】
戦場の岩場に夜な夜な現れる軍人の正体とは!?

幕開け第一話は一瞬ホラーを予感させる結局ホラーではない、やっぱり鶴見中尉だね!ってお話でした
漫画では谷垣は早い段階でマタギへと転向するので”軍人谷垣”自体が新鮮でした
第七師団のキャラたちとの会話しているのも「ああ、そんな時代もあったのね」と
妹を亡くした谷垣の心境もちらっと覗ける感じ
まだレタラにもインカラマッにもフチにも出会う前の若い谷垣一等卒に会える話です
宇佐美・二階堂(まだ双子セット)が出てくるー


◆第二話 白い日本兵【菊田杢太郎】
衰弱したロシア兵たちが口にする「白い日本兵」は実在するのか!?

個人的にこの一冊を通して一番印象的だったのがこの話の主人公菊田特務曹長!
漫画ではそこまで描かれていませんよね、菊田さんの心境やら人となりは・・
この小説では掘られてますね~
「鹵獲マニア」ってことで銃器蒐集しているところとか趣味傾向も見えるし言動からは思慮深い性格が感じられます
んー渋いね!
この話は有古・宇佐美・有坂閣下・月島・尾形が登場します
菊田さん、有坂さんと仲良くなれそうじゃない?銃器好きだし・・


◆第三話 羽二重天幕の密室【宇佐美時重】
密室のテントの中で捕虜のロシア兵が消えた!?

鶴見中尉のあやしいミステリーに宇佐美名探偵再び現る!(こっちが先か)
でも今回はシコシコしてませんw
ひときわミステリー・推理小説って感じのお話しでした
やっぱり宇佐美は宇佐美だな
谷垣・菊田が出てきます


◆第四話 時にはやさしく見ないふり【尾形百之助】
謎の死を遂げる日本兵の死体のそばには弔いの「守り刀」が置いてあり・・

宇佐美も宇佐美だけど、この人は本当に変わらんね
尾形が尾形であり、尾形がやっぱり俺の考えに間違いはない!と安心する話
宇佐美が出てきま・・宇佐美って尾形のこと「百之助」って呼んでたんだね?そうだったんだ
勇作さんも出てくる・・出てると言っていいのかな?漫画とリンクするシーンが登場しますね
この話で「不死身の杉元」のワードが出てきます、杉元自体は出てこないけど「何かすごいヤツいるらしいよ」って噂話にて登場してます


◆第五話 鶴見篤四郎は惑わない【月島基】
戦いに怯む上官の来訪時に鶴見中尉が企てたものは・・

中間管理職・月島軍曹、忠実に任務を果たします
実際の戦争時に士気を高めるためこういうのってあったのかなぁ・・
まあなんにせよ鶴見中尉はすごいよ
月島、またひとつ鶴見劇場の一幕を観劇する・・!
宇佐美・菊田・谷垣が登場します

やはりこれは「鶴見篤四郎の宿願」
そして鯉登は出てこない・・


そんなわけで読んでみたらやっぱりこれは「鶴見中尉の宿願」なんだ、となりましたね~!
やっぱりこう一筋縄ではいなかいそのまま普通には終わらない!そんな捻りがありました
おもしろかったよ!

戦場の夜の荒涼とした空気とか、血なまぐさい戦いの狂気ぶりとか、鶴見中尉のあやしさも・・ゴールデンカムイを文章にしたらこうだよね!って感じだな
(ヒンナヒンナとかアイヌ文化やギャグ要素はないけど)
全体的にかっこいい感じシリアスな雰囲気の作品でしたね

文章で読むゴールデンカムイは新鮮でありつつも頭の中では野田さんのあの絵がちゃんと出てくるね〜
もうちょっと私に妄想力?再現力?があるとより良かったw
描き下ろしイラストも嬉しい!

で私やっと気づいた!・・このお話は日露戦争時の話なので鯉登は一切出てこない!!
そうだよ鯉登ちゃんはみんなより若いのよーー
次のスピンオフに期待じゃあ!

鯉登出てこなくてもとってもおもしろい鶴見劇場、かぶりつきでご覧ください!

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読了後の追記以上になります!

鶴見篤四郎の宿願
作者情報


鶴見篤四郎の宿願の作者はミステリー作家の伊吹亜門さん!
2025年現在34歳とお若い作家さんですね
でもここ数年ミステリー系の賞をたくさん取られているということで若手ホープ!ですね!

Wikiでは伊吹さんの作品ジャンルは「推理小説」ときっぱり書かれているので、この鶴見篤四郎の宿願もきっとそんな謎が楽しい!お話なんじゃないかな(→まさにミステリー!謎が楽しいお話でしたよ!)

ゴールデンカムイの漫画もそんな感じだったよね
のっぺらぼうって誰よ?キロランケの目的って??尾形ってどこ寄り??
みたいなのたくさんあったな
読み進めるうち判明していく楽しさね

伊吹さんは誕生は愛知県とあるんだけど同志社大学出身なうえ現在も京都府在住だって!
これまで発表した作品も京都が舞台のお話が多い様子
これは・・私は読まねばならない気配が漂いまくってる~
(私は森見登美彦さんが好きなので京都よく行くんです)

まずは今回の「鶴見篤四郎の宿願」を読んだ後・・いろいろ手を出してみますよ~


漫画のゴールデンカムイの中でいくつか出てきた「それはまた別のお話」
スピンオフ作品はここから派生するのかと思いきや今回の小説はこの内容とは違うようですね

これこそ「また別のお話」なのか!
いいね!楽しみなことが先にあるっていいよね!